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No Triathlon No Life...|白戸太朗の裏ワザ的トライアスロンライフ

Vol.02「英語の成績は悲惨でも今や『国際派トライアスリート』」

世間一般的に「白戸太朗は国際派」と思われているようだ。よく「海外のほうが滞在期間が長いのでは?」とか「英語がしゃべれるからいいですね?」なんて声を掛けられる。確かにワールドカップができたてのころ、ツアーを回る唯一の選手だったし、その後も何かと海外遠征が多い。こんな性格なので友人も多いし、胃腸も丈夫でどこに行っても食事や水で困ったことは皆無。まぁ、かなり順応しているほうなのかもしれない。 思い起こせば、北米はもとより、南米、ヨーロッパ、アジア、アフリカまで地球上の大体の地域は行ってきたことにはなる。それもツアーなどない行程が多く、自分で手配して、単独移動がほとんど。駅に着いたが、ホテルまでの道が分からずバイクケースを引っ張ってさまよい歩いた、スペインのサンセバスチャン。オルリー空港とシャルルドゴールド空港の違いを理解していなくて、急いで連絡バスに乗り込んだパリ。宿泊する予算がなくて、ITU役員や他国選手の部屋に居候していたことなど、今ではいい思い出である。

でもそんなおかげで、いやが上でも多少の語学力はついたし、友人も多くできた。なにしろ高校の英語の成績は学年でも後ろから数番目。幸い我が高校は総合点数で進級が決まるため、他教科の頑張りでなんとかなったが、英語に関しては悲惨なものであった。その当時は「英語はどうやっても分からんから、他の教科で何とかしよう」と割り切っていて、英語の時間は熟睡しクラブ活動に備え、点数を取らなければいけない科目の授業はまじめに聞くという極端な生活を送っていた。英語の先生からすると手のつけられない生徒だったと思うが、そんな奴が10年後には「国際派」になっているとは信じられないだろうなぁ?。それもこれも「自分で何とかしなければレースに出られない」という環境があってこそだったのだ。 僕たちにはトライアスロンという共通の文化がある!

私は海外レースを楽しむにはふたつの条件があると思っている。ひとつは好奇心をむき出しに生活すること。新しい場所は刺激が一杯。生活習慣、日用品、食べ物、環境、すべてが異なっているはずだ。それをとにかく楽しむこと。「こんな食べ物があるんだ」、「ここではこういう風に考えられているんだ」等々、興味を持って生活していると新しい発見が一杯あるはずだ。 そしてもうひとつは、今までの常識を日本に置いてくること。当たり前だが、日本と同じ生活は送れるわけがない。それを追い求めれば追い求めるだけ、苦労し、ストレスになるだけ。それよりも、そこでの習慣を楽しむようにしたい。よく、日本食をごっそり持ってきて、「外食など縁なし」という方をお見受けするが、私からするとそんな悲しいことをどうしてするのか理解できない。その国やその地域でしか見られないもの、食べられないものに触れられるチャンスなのに……。 スペインではシエスタという慣習があり、昼の13時から18時くらいまですべてのお店は閉まってしまう。レストランのランチはやっているが、その代わりディナーは20時からというのが通例。最初に行ったときは18時ごろ夕飯を食べに行ってもどこもやってなくて、イライラしたものだ。翌日も街を迷い歩いていると、やっているレストランがあり、喜んで入っていくと「そろそろランチタイムは終わりだよ!」。翌日は、居直って20時過ぎに行くと活気のある店に驚き、味わい、楽しみ……「郷に入れば郷に従え」とはよく言ったもの。

でも、言葉が心配? はっきり言っておこう、語学なんて度胸! 言葉を話すことが大事なのではなく、意思を伝えようとすることが大切。知っている少ない単語でも気持ちがあれば必ず伝えられるはず。ましてや相手がトライアスリートなら、言葉や国籍などは関係なく、「トライアスリート」という共通の文化をもっているのだから心配無用。昔、スペインのフランス国境付近で、コース下見中に迷子になったことがあった。そのときに出会ったのが地元トライアスリート。彼はフランス語とスペイン語しか話せず、私は片言の英語。それでも話は盛り上がり、楽しいコース下見になった(と私は思っている)。いったい何語で話していたのか……そう、トライアスロンで語り合ったのである。 別に命をかけて戦いに行っているわけではない。せっかく世界中にあるスポーツをやっているなら、それを通して自分の世界を広げようじゃない。たったそれだけのこと。そう、国際派に必要なのは好奇心と度胸。ということで、これから南アフリカのアイアンマンに行ってきま?す! ☆白戸流 海外レースを愉しむための三カ条
●その国の言葉を話そうという姿勢
●あいさつ、お礼の言葉だけでも現地語で話す
●できれば現地のスラング(ここで書けないような言葉。俗語)をひとつ覚える