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No Triathlon No Life...|白戸太朗の裏ワザ的トライアスロンライフ

Vol.08「簡単、じゃないけど楽しい草レース作りのススメ。」

それにしてもアテネオリンピックはすごかった。あまりにもメダルが連発されるので、その評価価値が下がってしまうくらい。ついつい応援にも力が入り、閉会式後は関係者でもないのに疲れてしまったなんて人も多いのでは。そんな中、恥ずかしながら私はトライアスロンをライブで見逃してしまった。もちろん、後でVTRを見たが、頑張っていた選手たちに申し訳ない気分。みんな、スマン!! では、そのとき、いったい私は何をやっていたか? 実はその期間中、群馬の山奥でXTERRA(エクステラ)Japanの準備にかかりっきりになっていた。いつもは出場して楽しませてもらっているのだが、「このレースの魅力を分かっているお前が、日本のレースを作れ!」という本部の指示により、今年から作るほうへまわることになってしまったのだ。

レースを作るなんて一般のアスリートには縁のない話かもしれないが、一度やってみると大会のありがたさがよく分かる。よく大会時のマナーなどが話題になるが、作るほうを一度経験すれば大会での態度などすぐに変わるだろう。また、それ以上に小さな大会でも、選手にとっては大きな目標になる。たとえ練習会でも予定に入っていれば、多少なりとも事前の練習にも力が入るというもの。私は基本的に怠け者なので、具体的な目標がないと練習にも気合が入らない。漠然と頑張るなんて高尚な思考ももち合わせていない。だからこそできるだけ目標のレースを設定するようにしている。年間で大切にするレース、それに向けて目先の目標になるレース。これだけ忙しいスケジュールでも無理にレースに出るのは、「練習へのモチベーションを失わないようにする」という理由もあるのだ。なので、どんな小さな練習会でもいいから、読者の皆さんにもぜひ多くの機会を作っていただきたい。ステージが沢山あれば、演者は増えるのである。 身近な「練習会レース」なら自分たちで増やせる!

ということで今回はレースづくりのコツを、私の知りうる範囲で書かせてもらおう。 レース作りには大きく分けて4つの仕事がある。ひとつは場所の許認可関係。日本は漁業が盛んな国だけに、海はもちろん、川や湖でも漁業権というのが発生している。すなわち、大会を開催する際には当然のことながら権利保有者に許可を求める必要がある(場所によっては海上保安庁だったり、管理者である自治体に出す必要もあるだろう)。もちろん一般公道を使用するなら警察に対して申請も必要。これらが最もエネルギーのいる作業の場合もある。 の仕事は募集や選手管理。レースの時期に合わせて募集をかけたり、申し込みを受け付けたり。3つ目に競技関連。コース設定や競技に関する運営面の計画を立てる。そして4つ目、財政管理である。必要な出費と、それを補う手段を計画し、進めていく。実はこれが一番大変で重要な仕事。通常エントリーフィーで補えるのは運営費用の3分の1程度。つまりそれ以外の部分をスポンサーや補助金などを集めて補わなければならない……と、こんなこと書いていると、自分が抱えている今の仕事上の課題が思い出され、胃が痛くなってくる。でも、これらはあくまでもエントリーフィーを集金し、正式なレースとして開催する場合のこと。なにもこんな本格的なレースを皆さんに作ってほしいわけではない。

そう、増やすべきはあくまでも練習会レース。プールであろうが、いつものトレーニングコースであろうが、どこだってできるはず。もちろん、一般道で行う場合は交通法規を守るのは当然だし、車や人に気をつけないと取り返しのつかないことになってしまうので注意。たとえ、公園や自転車道などでも一般的に開放されている場所なので、ほかの利用者への配慮を欠くと、一般社会がこのスポーツへ向ける視線も冷たいものになってしまう。我々トライアスリートには「ヨーイ、ドン!」と言われると、競技に入り込んでしまうタイプが多いだけに運営の際は十分に注意したい。 あとは大会のコンセプトを決めておくこと。何のための大会、練習会なのか決めておかないと、人数が増えてきたときに参加者から不平不満が出たりする。「この大会はこのためにやっているのだ」という確たるコンセプトが決まっていれば、勘違いする人も少ないのである。 そんな苦労もあるレース作りだが、どんなに小さくてもあの緊張感、高揚感は練習と異なる。それは創るほうも、走るほうも同じ。皆さんも、こんなドキドキ、ワクワクを自分たちの手で創り出してみませんか?